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雑談ですが・・・

気になるあの人に話が聞きたい!じゃあ、早速行ってみよう!「yoppy編集部です!あの、これ雑談なんですが・・・・」

「人工知能のことをガチで天才プログラマー/スーパークリエイター清水亮に聞く」(全4回連載) その4:人工知能と向き合うには、見れないものを見れるようにしたいと思うかどうか!?

今年は、3月に世界トップレベルの棋士として有名なイ・セドル九段が、ディープマインド社が開発した人工知能「アルファ碁(AlphaGo)」に敗戦を付すという歴史的なことから始まるなど、ディープラーニング・深層学習やニューラルネットワークが急速な進歩を続けています。

そんな最先端のIT分野でさまざまな実績を他社に先駆けて排出している方のひとり、株式会社UEI代表取締役社長兼CEOで人工知能開発の第一人者・清水亮氏が11月に「よくわかる人工知能 最先端の人だけが知っているディープラーニングのひみつ」(KADOKAWA)という本を出版されました。そこでこれを機会にアナウンサー・吉田尚記が人工知能の真髄に迫るインタビューを敢行!!

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今回はいよいよ最終回の4回目。1回目、2回目、3回目を読んでない方は、まずそちらをどうぞ。人工知能に興味のある方必読!!

「人工知能のことをガチで天才プログラマー/スーパークリエイター清水亮に聞く」
その1:人工知能を使いこなせる人と使いこなせない人の差がこれから数万倍に広がる!?
その2:人間に出来ないことはAIにも出来ない!? そんなAIを手なづけられる人は誰なのか!?
その3:僅かな酔狂たちがAIを使った仕事をして、他は仕事がレジャーになる!?

清水亮プロフィール
清水 亮:株式会社UEI代表取締役社長兼CEO。株式会社ドワンゴ会長室第三課長を兼務。深層学習を中心とした人工知能の研究開発を専門とし、自らプログラミングも行う。2005年、情報処理推進機構より天才プログラマー/スーパークリエイターとして認定される。

■人工知能が強くなるときは、いつも失敗したときなんです!!

吉田:わかりやすい「アルファ碁」の話にあえてちょっと戻すと・・・世界最強の碁のAI・アルファ碁は一体何をモチベーションに強いんだ? 強くなったんだ? と思ったんです。イ・セドルは世界一だってことがかっこいいと思っているし、そのために頑張ってもいた・・・。強くなるまでの過程というのは、自分たちの中で何万回という対戦を繰り返してきた・・・。ではアルファ碁のモチベーションは何だったのか?

清水:モチベーションはないです。

吉田:ないんですよ!! モチベーションがなくても(人工知能は)どこまでもやるんですね?

清水:正確に言うと「勝つ」ことですよね、モチベーションは。

吉田:そういうふうに報酬づけている・・・

清水:勝つというモチベーションを与えた環境でやらせているだけです。そのモチベーションはいつでも取ることもできるんです。

吉田:凄い変なこと考えたんですが、めちゃくちゃ弱いアルファ碁って作れるんですか? 誰とやっても相手がある程度対戦した気になるんだけど・・・必ず負けるアルファ碁・・・。

清水:できますよ。例えば、50手でこっちが負けて終わるのが一番良いという強化学習をかければ、50手まではちゃんと打って、51手で人間が勝つようにしむけられる・・・。

吉田:人間が勝つようにどんどん誘導してくれる人工知能が作れるんですね・・・。

清水:できます、できます。だからモチベーションを我々で設計できるのがAIの良いところです。

吉田:ぼくの今までで一番、聞いた歌の中で本質的なフレーズだと思ったのが、チャットモンチーの「恋の煙」っていう歌詞の中に「当たりくじだけのくじ引きがしたい!!」というフレーズがあるんです。

清水:はぁ〜〜〜。

吉田:これはかなり人間の偽らざる本音だと思うんです。当たるかどうかわかんないことはしたいが・・・

清水:でも当たりくじだけのくじ引きって、けっこうありますよ笑。どっか商店街かなんかでちょっとハワイ旅行が当たるかもしれないくじ引きで、ハワイは当たんなかったけど携帯電話が当たりました! ハイ!そこで契約してください・・・みたいな笑・・・。

吉田:それはシステム上の不備というか笑・・・。そもそもハワイ旅行も携帯も欲しくない笑・・・。

清水:契約しなけりゃならないからね笑・・・。

吉田:でもたとえば、チャットモンチーの想定しているのは、おそらく、自分が告白して振り向いてくれるかわからない男性がいて、その人が振り向いてくれることが、まあくじであり、運もあり、だから100%振り向いてくれたらどんなにいいかみたいなのが、人間の一番根源的な、都合の良い発想だと思うんです。

清水:でも、それは幻想です!!

吉田:というと?

清水:人工知能はいつ勉強するか、いつ強くなるか・・・それはいつも間違ったときなんです、失敗したときなんです!!!

吉田:はぁ〜〜〜〜〜!!!

清水:成功すると、人工知能は何一つ学ぶことが出来ないんです。

吉田:うまくいっちゃった、いままでのやり方は変えないよねってことになる・・・。失敗したときは、これうまくいかないんだ、じゃあちょっと前回のを検証してみて、ちょっと違うやり方をやってみましょうになるから強くなるんだ・・・。

清水:だから間違えることこそが財産であって、当たりくじだけ引いてたらうまくいかないんです笑。

吉田:当たりくじだけでは、人工知能は育たない笑・・・。

清水:育たないし、人間もそこに喜びを感じないだろうなと思います。

吉田:石川善樹さんという予防医学を研究されている方がいるんですが、いろいろなことを研究されてる中で、例えば、人間が最終的に達成すべき最高の目標は何か? 例えば清水さんだったら創造性だったりいろいろあると思うんですが、石川さんははっきり「健康」だっておっしゃるんです。

言われてみりゃそりゃそうなんです。科学的に健康になる方法は何か、みたいな本もいま作られているそうで、その石川さんが、いろんな研究している中で、人間の感情というのは、喜怒哀楽なんていうのは相当古い分け方で、いまハーバードかどっかで研究しているのだと、人間の感情は16種類に分けられて、その中には、喜びとか悲しみはもちろん、むしろ「希望」や「感謝」も感情なんだそうです。

その「希望」という感情は16種類の中でも特殊で、それは、絶望を味わった人にしか希望という感情は現れないからだそうです。

清水:なるほど・・・だとすれば、国によっても感情の分け方って違うんじゃないかなと思いますね。

吉田:それはまあ、そうじゃないですか。

清水:国どころか人によって感情の出し方が違うと思うから、それの類似性を発見してそれに名前をつけて、そういう気持ちを「◯◯」と呼ぼうみたいなことしても、実際に本当に起きていることってそれほど違いはないので、その手の分類にいよいよ意味がなくなって来たと最近ちょっと思っているんです。

例えばプロ野球とか駅伝・・・。日曜に見ていたんです。駅伝の面白さなんて全くわからなくて、親父が駅伝好きだったなくらいなんですけど、たまたまテレビ付けたら駅伝やっていて、ちょうど画面はアンカーが伊勢神宮にいくところだった・・・。そしたら今走っているやつのスペックが画面に出るんです。<スピード><持久力><勢い>とかそういうのが5段階評価なんですけど出るんですけど、さすがにアンカーやるやつなんで、みんなオール5なんですよ。

吉田:さすがにそうでしょうね。

清水:これ意味ないだろって思ったんです。そもそも「勢い」ってなんだよとか、選手の良し悪しより「勢い5」ってどういうことなのか、「勢い1」より「勢い5」のやつは何がどう違うのか、気になってしょうがなかったんです。

このデータって文化系の人が、自分の中で、これなら4とか割り切って付けたんだと思ったんです。でなきゃ5段階なんかで人間を評価できるわけがない。しかもこれ見てて、全参加選手のスペックを誰かが付けているわけです。この放送に合わせて・・・。その仕事の不毛さもさることながら、これがあると分かり易いのも確かかな・・・とか矛盾する感情を覚えたんです。

吉田:ま、エンタテインメントとしてはありなんですよね。

清水:そうそう。これあったほうがそりゃ、僕がいきなりこの選手とか言っても何もわかんないから、5とか出てくればわかりやすい!! でもこれを決めている人間なので・・・。

思い出すのはゲームで「信長の野望」とかのパラメータの初期値が非常に不可解だと思っていたことがあって・・・。

吉田:あれはシブサワ・コウさんが勝手に決めているんでしょうねとしか言いようがない笑・・・。

清水:なんで上杉謙信の野心がこんなに低いんだとか笑、そういうパラメータ疑惑がずっとあって、僕がゲームを開発するようになって、特にパラメータを決める人の気持ちもわかるようになって、その中でかなり適当に決めているんだろうなって思いながら、あそこに人間と人間の違いみたいなのが、見え隠れしているのではないか、なんか分類とか、パラメータとかで分類するんだけど、その分類に実はさほど大きな意味はないぞといつも思うんです。

吉田:分類よりも実行とか、そこにあることに意味があるみたいな・・・。

清水:そうです。定量的評価には意味がある程度あるけど、それを分類するって、分類した人によるので、定性的評価が変わってしまうわけです。

■人工知能は、鳥の形をした紙飛行機みたいなもんなんですよ

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吉田:古文の已然形のなんとかという使い方であるみたいな分類・・・これを古文の先生はどうするかというと、いろいろ分類がされてきて、どうにも分類できないものが出てきたという瞬間に、一個新しい分類ができる、そうするといままでの分類をもう一度ふるいにかけ直すんだそうです。

清水:なるほど、ハノイの塔みたいなものですね。無限に仕事があるからいいよねそういうのって・・・。

吉田:それはそれで、たぶん無限に仕事があること自体が価値みたいな・・・。それを古文の先生は好き好んでやっているんですよきっと・・・。

で、結局知能の進化でいうと、人間の知能の進化の方法もステップも、人工知能の進化のステップもあまりかわんないって気がするんです。

清水:もともと人間の進化を生物学的なメカニズムを模倣したのがAIなんだから・・・。

吉田:そっか、そもそも(AIは)人間なんだ!!!

清水:そうです。元ネタが人間だから・・・

吉田:人工知能は人工人間の機能なんですね。

清水:だから人工知能は、鳥の形をした紙飛行機みたいなもんなんですよ。形だけ一緒。

吉田:その機構がどうなっているかは、いまのところ、人間の知能がどうしてこうなのかわかってないのとおんなじで、人工知能も結果こうなっているからいいよね、って言うやり方で、進歩してきてて、人間は人工知能作ったときに、これはこういう作り方で作ったから、人間もどうやらこうなんじゃないの? その可能性が高いんじゃないの?みたいなことが言われるようになった・・・。

清水:で、その2つには奇妙な相関関係があります。まったく違う物質からできていて全く違う性質のものなのに、どうも似ているみたいな・・・。それって人間にも言えるよね・・・みたいなこと。

逆にいうと人間をモデル化することが人工知能の主な目的だったから・・・。さっきの古文の話も、実は深くつながっていて、全く同じやり方で、機械翻訳とか自然言語処理というのを、日本人の研究者は30年以上も研究してきたんです。それが人工知能学会の90%を占める主流派なんです。

吉田:それが「大人の人工知能」ですね。

清水:そうです。だけどあたりまえだけど、そのやり方では無限にいろいろなのが出てきちゃうんです。だから30年間ほとんど進化がなかった。

僕らが喋っている言葉ですら、正しい日本語使ってるか言うと別にそうでもない。正しい日本語っていうのが幻想だったってことなんですよ。だって自然言語って自然的に発生するわけだから・・・。あらゆる語法とか、語順とかが、正しいわけがない・・・。

吉田:正しいって何だ!?ってことですよね!!

清水:そうです、最初に文法をプログラミングしてそのとおりしゃべっているわけではなく、なんとなくお母さんお父さん、周りの友達としゃべってて、なんとなく言葉を覚えていくのが普通の言語獲得じゃないですか。だから、いきなりそんな文法に沿って人間の言葉を分解して、他方の英語とか、フランス語とかに翻訳可能だって考える事自体が傲慢な考え方じゃないかと。

吉田:それで、画像翻訳の話になるんですね。例えば青い空に飛行機が飛んでいます、と日本語で言う、すると青い空に飛行機が飛んでいる画像を検索して出してくる・・・

清水:検索ではないです。人工知能が言葉にあった画像を自動生成するんです。しかもそれは、そもそも青い空のデータでもなく飛行機のデータでもなく、ただ空を飛んでいる飛行機の写真を(人工知能に)見せて、これは空に飛行機が飛んでいる絵だよと教えただけ。別々のものではなく、渾然一体とした知識がAIの頭の中にあって、そこに対して、こういう言葉を投げ込むと、おそらくこういう絵だろうなとぼんやり想像する・・・。データが有るとかじゃないんです。全体的にぼんやりしたイメージの中からこういう絵ですよねと想像して画像を生成する・・・それが今のAI。

吉田:これってありえない画像でもいいんですよね。例えば青空に僕の好きな話で「ピンクの象」が飛んでいる。例えばピンクの象が空を飛んでいるなんて絶対ないわけです、でもその絵を自動生成することはできるんですね・・・。

清水:検索じゃ持ってこれないから・・・。

吉田:ここでピンクの象が空を飛んでいるときのことを英語で表現してください。これを人工知能に託すんです。

清水:そうです、今度は絵から言葉を生成させるんです。

吉田:これをやると、なんと今までできなかった、自動翻訳がこのルートなら出来るのでは・・・と言われて、たしかにそうだとなったんです。

清水:しかも絵から未来を想像することもできます・・・。

吉田:もっと抽象的な概念でも同じように翻訳できるようになった・・・。あれはあくまで2次元もしくは3次元・・・これを5次元的、6次元的に扱っていくとすると・・・

清水:人間自体も何万次元を普段から頭のなかで扱っていて、整理しようとすると時間がかかります。言葉って次元が低いんです。日本語でも6千次元くらいしかないと言われている。

しかし頭のなかでは目に見えない形で何万次元にちらばっているんです。それを明文化しようとすると言葉になる、するともの凄く圧縮がかかるんで、うまく表現できなくなっちゃうんです。

吉田:言葉って圧縮済みのコマンドなんですね。Zipファイルみたいなものなんだ・・・。

清水:だからピンクの象って言った時、ピンク色という概念と象と言うかたちの概念の組み合わせになるんです。象という形の概念はもの凄く広く、イラスト的なものもあれば写実的なものもあります。それを絵が上手い人はその場で書くことが出来る・・・。言葉って圧縮したZipファイルというよりは、パスワードみたいなものかもしれないですね・・・。

■人工知能をコントロールする人工知能も現れるかもしれない・・・

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吉田:わかります、いろんな概念がそこに一応プッとくっついたような感じ・・・。ただ、最初の話に戻るとモチベーションがなくても、アルファ碁はずっと碁を打ち続けていくんですよね?

吉田:モチベーションは外から与えるんです。自発的な欲求はないけれど、ネズミとかと一緒で、相手に勝ったら褒めてやるぞっていうモチベーションです。正確に言えば、相手に負けたら怒られる・・・かもしれない笑。間違ったときじゃないと学習できないので笑。

吉田:成功とか失敗の概念は人間が植え付けているんですよね。

清水:そうです。

吉田:例えば部屋をちらかしたほうが偉いっていうお掃除ロボットを作ることもできる・・・

清水:もちろんもちろん・・・。

吉田:もう塵ひとつでもない方が良い、ちょっとでも散らかってたらお前の負けだ!!という人工知能も作れるんですね。

清水:古典的なロボットの概念と今のAIの概念の根本的な差が実はそこにあるんです。よく昔からある、ロボット物のコメディだと、ロボットは言われた言葉通りに杓子定規に動くから、いろいろトラブルを起こすというのがありますよね。

例えば塵一つ残すなって言われて、この部屋全体をプラズマ冷却して粉々にしてしまえば塵は残らない・・・みたいな言葉の字面通りの解釈で困ったことを起こすみたいなことは、今のAIでは起こり得ないんです。何故ならめんどくさいから・・・。そんなめんどくさいことやらないからなんです笑。言葉の重要度が下がったというのが実は深層学習の一つの成果なんです。

昔は言葉のほうが重要度が高かった・・・。なので言葉を一生懸命理解させれば知識を獲得できるという考え方だったのが、いまは言葉すらも関係ない・・・。

実はこの本(よくわかる人工知能)ももはや古いんです。

吉田:10月に出たばかりの本にもかかわらず笑・・・。

清水:この本の中で、東大の松尾先生が言ってる、翻訳っていうのは、一回イメージするってやつなんですけど、今の人工知能は、もっと進んでて、今までは対訳って完全に文と文が対応していたんですが、それをやめて、この文章はこの文章の意訳であるというのをひたすら読ませると、構文もすっ飛ばして、概念も全部すっ飛ばして、いきなり意訳できてしまうことがわかってるんです。絵を経由しなくてもできてしまう・・・。

吉田:例えば、夏目漱石が「今夜は月が綺麗ですね」といったのが「I love you.」だったという一番有名な意訳ありますが・・・。

清水:これって人間がいないと出来なさそうなんですが、これすらもたくさん読ませれば出来てしまう可能性があります。

吉田:それって、いくら夏目漱石が読書家だったとしても年間500冊読めたかどうかだと思うんです。でも1日で500のインプットっていや数秒でしょ?って話ですよね。

清水:数秒ではないけど、早いですね・・・。

吉田:ここに実はもう一つの質問があって、例えばアルファ碁はずっとあるじゃないですか、でもイ・セドルはたぶんこの先死んでしまうじゃないですか。そのあともずっとアルファ碁はずっとアルファ碁であり続けることが出来る。そうすると人知を超えた強さをどんどん積み上げ続けるってこと?

清水:意味があれば、電源ある限り強くなりますよ笑。

吉田:そこで、モチベーションが失われることもないわけだし、飽きたとも言わない、人間が知能の獲得において、ものすごく損をしてきた障害が人工知能ではほとんどないわけですね。

清水:そうです。

吉田:だから恐ろしくとんでもない破壊力を発揮する可能性がある。さっき、人間に出来ることしか出来ないって言ってましたけど、人間の中で最も優秀な人にもなれるし、その先にも簡単に行けるってこと?

清水:そうです。不死な上、コピーもできる。

吉田:人間の思考の方法とか知能がやってきた作法自体を最大限に伸ばしていくことが人工知能ならおそらく出来ると思うんです。

清水:しかもそれをコントロール出来ます!!

吉田:人工知能をコントロールする人工知能も現れるかもしれない・・・。

清水:でも何が出来るか見極めたり、実際何が出来るかやらせるのはいまのところ人間だけですから・・・。人工知能のプログラマだけです。

吉田:それをやってみたい(コントロールしてみたい)と思いました。自分で、人工知能の操作をやるとなったら、どうすりゃいいんですか? Chainer(人工知能のフレームワークの一つ)を導入する?

清水:Chainerは限定的ですよ。だからまずは、ネットに落ちている人工知能(アプリ)で、すぐ試せるブラウザで試せるものから始めて、その中でこれはって思うやつを試してみると、親しみやすいんじゃないかと思います。

吉田:試してみるのはできます。でも清水さんに見せてもらってびっくりしたのは、アニメキャラで、ポニーテールでピンク色のキャラクターを生成してくださいっていうと、そのキャラクターはこの世に存在しないものをちゃんと作ってくれる!!でもそんなニーズはない!!

清水:凄いけど、別にほしくない笑・・・

吉田:それはそれで凄いと思いますが・・

清水:最近僕がハマっているのは、白黒をカラーにする人工知能というのがあるんですよ。そうすると「荒野の七人」とか、昔の白黒映画をカラー化出来る。僕はオードリヘップバーンのファンだから、オードリーの若い頃の白黒映画「ローマの休日」や「ティファニーで朝食を」など、だんだん年取ってくるとモノクロで見るのってけっこう辛くて、映画好きはモノクロなのかもしれないけど・・・。いま若者にこの映画面白いから見なさいと言ってもモノクロだったらすごい障害になる。でも人工知能でうっすらなんだけど、色を付けてくれる。色がついてるなら見ようかなとなるかもしれない・・・。

そしてモノクロがカラーになるんだったら、2次元が3次元になるんじゃね?って、そんな人工知能もすでにあって、2次元の写真を3次元にしてくれる。どういうことかというと、立体映画の左目画像から右目画像を生成するように学習していって、写真一枚渡すと、これを左目用画像と仮定して、右目で見たらこうなるっていうのを自動生成してくれる・・・。

しかも(生成画像の)右目の精度が悪いんです。でもそもそもは人間の目がその精度の悪い方からは立体的な情報を読み取り、もとの画像は綺麗なままなので、脳内でも勝手に補完されて綺麗なまま立体になったように見えるんです。これはもう十分立体に見えるんです。これを使うと「七人の侍」をカラー化した上に立体映画にすることもできます!!

吉田:これは人工知能の体験になりますが、人工知能を扱う技術を身につける方法は何かないんでしょうか?

清水:現実的には深層学習用のハイエンドPCを購入して自分で試すのが一番ですね。それがないことには何も試せないんで。そのあと世の中に落ちているデータでまずは練習して、そこがおもしろいところで、僕は21世紀ののび太になろうと思っているんですけど笑・・・。

吉田:まさかこんな使い方するとは思ってなかった・・・みたいな!!

清水:そうです、のび太みたいにアイデア勝負で生きてる人間だから笑。でもこの程度のことって世界中の誰でも試せることなんです。研究者の人たちは論文書かなきゃなんないから試しただけじゃだめ、面白いだけじゃダメだけど、僕は楽しいねっていうだけで済ませられる笑。楽しむためには遊び心が重要。

例えば2D写真を3Dにしたいと思ったのは、こないだ発売された佐々木希の写真集に入浴シーンがあって、これはぜひとも立体で見たい! その一心だけ!!見れないものを見れるようにするっていうのがポイントなんです。

吉田:人工知能と向き合うには、もっと素直でいいってことですね。ということで長時間に渡ってお話を聞かせて頂きありがとうございました。

清水:お疲れ様でした。

「よくわかる人工知能 ~ 最先端の人だけが知っているディープラーニングのひみつ」
2016/10/17発刊 KADOKAWA ASCII (1,836円)
https://www.amazon.co.jp/dp/4048922335

はじめての深層学習(ディープラーニング)プログラミング
2016/12/7発刊 技術評論社(2,462円)
https://www.amazon.co.jp/dp/4774185345

株式会社UEI
http://www.uei.co.jp/

秋葉原プログラミング教室・AIプログラミングコース
http://www.akiba-programming-school.com/