ニッポン放送アナウンサー吉田尚記をアイコンとしたカルチャーサイトyoppy Powered by ニッポン放送

MENU
声優落語天狗連

アニメ『昭和元禄落語心中』のテレビ放映に合わせてスタートした「アニメ×落語×声優」の異色コラボイベント。その名も「声優落語天狗連」。年100本近くのアニメイベントMCを務め、落語研究会出身のニッポン放送アナウンサー・吉田尚記と、同じくアニメ好きにして落語研究会出身、イベント「渋谷らくご」をプロデュースする学者芸人・サンキュータツオのダブルMCで展開中の「声優落語天狗連」の魅力をお届けします!

立川志ら乃と 中島ヨシキ + 高塚智人 + 仲村宗悟 で大盛況!「声優落語天狗連」スピンオフ特別イベント

『アイドルマスター SideM』出演の声優が、落語へ2回目のチャレンジ

2016年1月、アニメ『昭和元禄落語心中』をきっかけに神田明神でスタートした「声優落語天狗連」も今回でついに10回目! 5月6日、本家の落語会も多く行われている聖地・浜離宮朝日ホール(小ホール)にて開催された「声優落語天狗連」は、新フェーズ突入記念として、2部構成のスペシャル仕様での開催となった。
13時から行われた第1部は、「声優落語天狗連 ver.立川志ら乃と愉快な声優たち」と題して、過去に「声優落語チャレンジ」に登場し、見事な落語を披露してくれた若手男性声優3名――第6回出演の中島ヨシキさん、第8回出演の高塚智人さん、第9回出演の仲村宗悟さんが再登場。我らが稽古番・立川志ら乃師匠を囲んで“志ら乃声優一門会”をやっちまいましょう!という試みだ。

MCは、本イベントの主催としてもおなじみの吉田尚記アナウンサー。本日の登場声優が全員『アイドルマスター SideM』キャストであることに触れ、「知ってますよ、世間ではこのイベントが『SideR(=落語)』と呼ばれているらしいじゃないですか!」と言いながら、本日の主役たちを呼び込む。「キャーッ!!」と黄色い声に、志ら乃師匠も思わず「これ、落語会だよね!?」と、早くもタジタジだった。

謗イ霈牙・逵・蠢励i荵ソDSC08843

「声優落語チャレンジ」には2度目の挑戦となる声優陣は、口々に「緊張している」と表情も硬めだが、志ら乃師匠と吉田アナが彼らをツッコんでいくうちに、仲良し3人組ならではのフレンドリーなトークが炸裂し出す。クールな中島さんには、「コイツは落語が上手いんですよ、頭がいいんだね。だから……今日、地獄に落ちればいいのに!!(笑)」と志ら乃師匠。高塚さんは「前回やった『たらちね』が頭から離れなくて、ずっとお風呂で口ずさんでます」と神妙な顔。みんなから「チャラい、岡サーファーみたい」といじられっぱなしの仲村さんは、「緊張してるけど、頑張ります!」と元気いっぱいに抱負を述べて会場を沸かせた。そんなみんなをいじり倒していた志ら乃師匠も、吉田アナに「今日は志ら乃師匠にも落語を披露してもらいますが、初めてイベントに来た方も多いので……生まれて初めて観る落語が師匠になるかも! 責任重大ですね~」とプレッシャーをかけられ、「おまえは本当にヤなこと言うね!!」と苦笑する。

ここで、3人の声優陣の高座の順番がまだ決まっていないため、志ら乃師匠から「ジャンケンして、好きな順番を選べ」という指令が飛ぶ。が、ここでも一悶着。中島さんが「俺、チョキ出すよ!」宣言すると、残りのふたりは疑心暗鬼に。ジャンケンで勝利した高塚さんを、落語では兄弟子となる中島さんが脅して最初の出番を強いるなど、すったもんだの末、高塚さん、仲村さん、中島さんの順に高座を務めることが決定。志ら乃師匠と吉田アナは、「落語は2回目がいちばん怖いんですよ。最初にウケたというイメージがあるから、それより笑いが少ないとスベったと感じちゃう。みなさんも静かに観るんじゃなく、大声で笑っていいんですよ」と客席にアドバイスし、いよいよ3人の落語が始まった。

勇気あるトップバッターは高塚智人。元気溢れる仲村宗悟に続き、新たな話に挑んだ中島ヨシキが!

最初の演目は、高塚さんの「たらちね」だ。男女の出会いの噺である「たらちね」を紹介しながら、自分がいちばん経験している恋愛話といえば恋愛シミュレーションゲームで……という、声優ならではのマクラでも会場を沸かせる。約2ヵ月前の「声優落語天狗連 第九回」でも、同じ演目を堂々と披露した高塚さん。今回も、長屋住まいの男のもとに嫁に来た武家の娘の、小難しい長台詞(言い立て)を朗々と言い切り笑いを誘う。前回とは内容も少し変化していて、新しいギャグを挟みながら、登場人物のイキの良さが引き立つ「たらちね」に大きな拍手が贈られた。

高塚

2番目に登場したのは、仲村さん。こちらも第9回で披露した「親子酒」に再度チャレンジした。「仲村宗悟でーす!!」と威勢良く名乗りを挙げて始まった「親子酒」は前回以上に、「もう1杯、もう1杯」と言いながら盃を重ねる父親の酔っ払いっぷりがエスカレート。こちらも高塚さん同様に、新しいギャグを交え、オーバーアクションで観客を爆笑させた。(途中、噺の登場人物として中島さんの名前を出し、“エロい”と言わせたりするところも、本イベントならではのお楽しみでした!)

謗イ霈牙・逵・蠢励i荵ソDSC08848

そして「声優落語」のトリを飾ったのは、中島さん。イベント第6回では「看板のピン」を披露していたが、今回はなんと、新たな演目「紙入れ」に挑戦。「要するに、〈紙入れ〉は不倫の噺。つい昨日も夏目漱石の朗読劇で不倫の小説を演じてきたばかりで、宗悟に“(中島も)不倫するの?”と言われました(笑)。じゃあ、エロい噺をやります!」というマクラから、落ち着いた面持ちで「紙入れ」本編に入っていく。
「紙入れ」は、旦那が留守の間におかみさんに誘惑された男が、急に旦那が帰宅したため家から逃げ出すが、枕元におかみさんの手紙入りの財布(=紙入れ)を忘れてしまい、大慌てする噺だ。旦那に不倫がバレたかも?とおろおろする男と、鈍感な旦那との会話にも笑わされるが、中島さんの「紙入れ」は、間男に甘え、すかしながら、大胆に男たちを翻弄するキップのいいおかみさんが魅力的。テンポのいい掛け合いが、会場を笑いで揺らした。

謗イ霈牙・逵・蠢励i荵ソDSC08853

高座を終え、再びステージに顔を揃えた3人は「それぞれの性格が噺に出てた」、「(高塚さんは)袖から見てると、お辞儀をするときの手が緊張で震えてた」、「稽古のときは、“薄い本”って言葉を入れたらどうかな?など、志ら乃師匠が細かいギャグのアイデアをどんどん出してきた」と、今日の噺と稽古を振り返り、吉田アナが「弟子の3人は完璧でしたよー!」と、舞台の袖で出番を待つ志ら乃師匠に大声でプレッシャーをかける。

若手声優に落語を稽古した立川志ら乃師匠が、圧巻の新作落語を披露!

そしてスタートした師匠の高座。紋付きに着替えて吉田アナを睨みながら(笑)、登場した志ら乃師匠は、「正直、真打ち昇進のお披露目のときより、拍手が多かったですよ」と笑いながら、自分が落語を始めたキッカケから話し出す。サービス満点のマクラはそのうち、志ら乃師匠がワンテーマでトークショーを開くほど大好きだという、自宅近所のスーパーマーケット談義に。師匠の熱のこもったトークに、会場も笑いっぱなしだ。

謗イ霈牙・逵・蠢励i荵ソDSC08863

爆笑のマクラに続いて、いよいよ落語本編へ。今回、志ら乃師匠が披露してくれたのは、創作落語「雲八」。真打ち昇進のお披露目会の当日に、雲八師匠から破門を言い渡された八太郎と師匠の愛すべき師弟関係を描いた力作だ。あえて古典の雰囲気を残した「雲八」は、そのタイトルからも分かるとおり、『昭和元禄落語心中』の劇中エピソードも随所に登場する、アニメ化前から志ら乃師匠が披露していた人情味にあふれた感動的な噺だった。後のトークでも語られたが、「雲八」には自身の師匠(立川志らく)との逸話も盛りこまれ、噺の中に出てくる落語「人情八百屋」も、家元・立川談志が講談をもとに創作した、立川流にとっても大切なものなのだとか。

ふだんの本イベントでフレンドリーなトークを聞かせてくれる志ら乃師匠が、100倍も1000倍も男前に見えた圧巻の高座後のトークでは、弟子たちも言葉を失い「プロの技を見た!」、「すごい!」と感嘆するが……吉田アナは「他に言い方はないの? 感想が薄い!」と指摘。志ら乃師匠も、「おまえらは本当に……!」と苦笑ぎみだ。これが「声優落語天狗連」ならではの師弟関係なのか?(笑)

たっぷりと、落語が披露されたイベントの最後は、ひとりずつ挨拶を。
「2回目の落語は、いろんなプレッシャーがあっていっぱい緊張したんですが、あたたた……(と噛みながら)、温かく観ていただいてありがとうございます。とても楽しくやれたので、また落語ができたらいいなと思います!」(高塚さん)
「稽古の時間が宝物でした。志ら乃師匠に噺を見せた後は、だいたいが雑談。でもそれが大切で、いい言葉をいっぱいくれるんです。師匠は〈親子酒〉をもう17年間もやっているのに、なお新しい気づきが永遠に出てくる。(声優も)生き残ってる先輩は、当たり前のように努力している方ばかり。僕も新しいことにどんどん気づいていけたらと思います」(仲村さん)
「今回、いちばん最初に師匠に教えていただいたので、兄弟子とみんなにからかわれ、(第二部に出演する)山口勝平さんが弟弟子だと言われ……そんなバカな!と(笑)。今回は新しい噺をやり、前の噺に逃げようかと思う瞬間もありましたが、今日みなさんに観ていただけてよかったと思います。またみなさんと高座でお会いできたらいいなと思います」(中島さん)
「本当に、こういった場を作ってくれてありがとうございます。声優ファンなら何でも観たいと思うんでしょうが、正直、“落語?なにそれ?”と思った方も多いはず。それでも観に来てくれて、こんなに嬉しいことはない。今後も、このイベントを観に来てくださいと言いたい想いはあるけれども、年に一度でも二度でも、“おっ、やってるな”と気に掛けてくれるだけでもいい。落語というものがあることを、胸に刻んで帰っていただければありがたいです」(志ら乃師匠)

謗イ霈牙・逵・蠢励i荵ソDSC08893

若手声優陣もすっかり落語の腕を上げ、彼らの話し手としての新たな魅力と落語の魅力の融合を見せつけた「ver.立川志ら乃と愉快な声優たち」。「声優落語天狗連」としても初の試みは、観客も演者も大満足のイベントとなった。