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八雲ふみねのシネマコンプレックス

シネマアナリスト八雲ふみねさんの連載コラムです。耳寄りの映画・ODS上映作品等についてご紹介していきます。

黒木瞳初監督作品「嫌な女」吉田羊が語る「監督と女優」の関係

昨日、女優の黒木瞳さんが初監督を務めた映画「嫌な女」完成披露プレミア試写会が開催されました。徹子役の吉田羊さん、夏子役の木村佳乃さん、黒木瞳監督が登壇した、プレミア試写会について、司会を務めたシネマアナリスト八雲ふみねさんのレポートをお届けします。

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笑って泣ける、人生リセットエンターテインメント

桂望実のベストセラー小説に惚れ込み、自身で映画化権を獲得してから5年。
女優・黒木瞳が初めて映画監督に挑んだ映画『嫌な女』。
人と打ち解けられず孤独と折り合いをつけて生きてきた、弁護士の徹子。
派手好きな天性の詐欺師、小谷夏子。
境遇も立場も違う二人の女性たちの絆と成長を鮮やかに描き出した、笑いと涙の人間ドラマです。

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その完成披露プレミア試写会に徹子役の吉田羊さん、夏子役の木村佳乃さん、黒木瞳監督が登壇。僭越ながら私も司会としてお仲間に加わり、オトナの女子トークを繰り広げるお手伝いをさせていただきました。

美女はモノマネがお好き?!

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黒と白を基調とした美しいロングドレス姿で登場した、吉田羊さん、木村佳乃さん、黒木瞳監督。黒木監督を中心に、撮影中の懐かしいエピソードを振り返ります。中でも「これはうまくいった!」と三者一致で手応えを感じたのが、徹子と夏子が殴り合う喧嘩のシーン。完成した本編を観ていても「この二人、どうなっちゃうんだろう…」とハラハラする名シーンです。

「本当に当てろと言われたので思い切り頬を叩いたら、ぶった後の羊ちゃんが鬼の形相で…」と、笑顔で話す木村さん。すると吉田さんも「佳乃ちゃんは叩くのが上手いんですよ。でも叩かれた瞬間、カァ〜ッっとなって。それが自然と、表情に現れました」と当時の感情を振り返り、主演女優二人の白熱した演技を目の当たりにした黒木監督も「『いいぞ、もっとやれ!!!』ってコーフンしました」と、言葉を添えます。

しかしあまりにも激しいバトルゆえ、最後のキメの台詞で息絶え絶えになってしまった吉田さん。するとそばに飛んできた黒木監督が「羊ちゃん、いまの台詞、森進一さんみたいになってるよ」と、真剣な表情でダメ出ししたとか。このエピソードが登場するなり、こんなに美しい方々に一体何が起こったのでしょうか。お三方が撮影当時を思い返しながら、嬉々として森進一さんのモノマネ…をする“黒木監督のモノマネ”を披露。あまりにも無邪気な監督+主演女優たちに、満員のお客様も大爆笑でした。

チャーミングな瞳監督

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華やかに登場後、ひとりずつご挨拶をいただいているときのこと。会場を見渡しながら木村さんが「女性のお客様に沢山来ていただいて嬉しいです。ね、監督?」と、黒木監督に話を向けると。木村さんの立ち位置と真逆の方向を向いて深々とお辞儀を繰り返す、黒木監督の姿が。ハッと我に返り「客席に宝塚歌劇団の上級生の方たちがいらっしゃるので、ご挨拶を…」と、はにかむ黒木監督。宝塚出身の女優さんって、上級生の姿を見ると反射的にご挨拶する習慣があるんですよね。思わぬ「タカラヅカあるある」に、客席が一気に和みます。

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劇中で、木村さんは竹内まりやさんの歌を歌われているのですが、その撮影日に竹内さんがお忍びで現場を訪問された時のこと。突然の出来事に「ビックリなさったでしょう?!」と、私が木村さんに尋ねると…。「それがね…。私には内緒にしておくつもりだったのに、瞳さんがペロッとバラしちゃったんです」と、木村さん。そんなことは「記憶の彼方に行って、すっかり忘れていた」と、さわやかに笑い飛ばす黒木監督。言動のすべてがとってもチャーミングな“瞳監督”に、主演女優のお二人もファンも魅了された瞬間でした。

究極の選択、また一緒に仕事をするなら…。

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今回、司会を務めさせていただくにあたり、是非とも伺いたかったこと。それは「次にお三方がご一緒されるなら、“監督と女優”という関係がいいですか? それとも女優として共演されたいですか?」ということ。すると黒木監督「私は、女優同士がいいです」と、即答。「(2人の)芝居は見せてもらったので、女優同士で芝居のキャッチボールをしたら、どんな感じになるんだろう」と、興味津々の様子。

吉田さんは「監督と女優」の関係を希望。「自分が思いもよらなかったお芝居を引き出していただいたので、瞳さんとご一緒すれば自分の可能性がどんどん広がっていくのかなって…」と、意欲的。

そして木村さんは「20年ほど前に『失楽園』で瞳さんとご一緒させていただいたんですけど、そのときは恐れ多くて口も利けなかったんです。だから、次は一緒にお芝居がしたいです!」と、こちらも意欲満々。すると「佳乃ちゃんに叩かれると痛そうだから、格闘シーンはない方が…」と、若干引き気味の黒木監督に「分かりました、その時は加減します」と、木村さん。

第一線でご活躍のお三方だけに、今後、どのような形で一緒に作品作りをされるのか…。お話を伺っているだけでも、夢が広がりますね。

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ダブル主演を務めた吉田羊さん、木村佳乃さんの演技に絶大な信頼を寄せる黒木監督。「“女優が映画を撮った”という色眼鏡はちょっと外していただいて、徹子と夏子、女子力低めの“嫌な女”をぜひ最後までお楽しみください。きっと、皆様を笑顔にできる作品になっていると思います」と、舞台挨拶を締めくくって下さいました。その言葉どおり、観終わった後「人生捨てたもんじゃない」と思わせてくれる、清々しい人生リセットエンターテインメント。

映画『嫌な女』は、2016年6月25日から全国ロードショーです。

【文:八雲ふみね http://yakumox.com/  】

映画『嫌な女』
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2016年6月25日から丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
企画・監督:黒木瞳
原作:「嫌な女」桂望実(光文社文庫刊)
出演:吉田羊、木村佳乃、中村蒼、古川雄大、佐々木 希、袴田吉彦、田中麗奈、織本順吉、寺田農、ラサール石井、永島暎子 ほか
©2016「嫌な女」製作委員会
公式サイト http://iyanaonna.jp/