【「本格雑談 くちをひらく」第2回 ライブレポート③】
アナウンサー・吉田尚記と声優・中村繪里子。とにかく口を開かずにいられない、2人がゲストを交え本気の雑談をお送りするトークライブ「本格雑談 くちをひらく」。大好評につき、第2回が開催されました。第2回のゲストは、東京大学教授で『言葉はなぜ生まれたのか』の著者「岡ノ谷一夫」!
2016年12月5日、ニッポン放送イマジンスタジオにて、吉田尚記&中村繪里子によるトークライブ「本格雑談 くちをひらく」が再び開催されました。
今回のゲストは東京大学教授で『言葉はなぜ生まれたのか』の著者「岡ノ谷一夫」。
おしゃべりなホスト2人に、おしゃべりなゲスト。3人の雑談は徐々に「話す」という事の本質に向けて進んでいきます。
岡ノ谷:聖母マリア教会に、『意味がある言葉を言ってはいけないけど、喋り続けなければいけない』という儀式があるんですが。
吉田:超面白そう!
岡ノ谷:これが、すごく難しい。
吉田:難しいですか。
岡ノ谷:難しい。だって、ずっとタモリをやってなきゃいけないの。
吉田:四カ国語麻雀だ!
岡ノ谷:そうそう。
中村:なるほど。あれって、それぞれの国の言葉をしゃべってるように聞こえるけど、本来、何の意味もない言葉ですもんね。
岡ノ谷:たとえば……#&%$`*#W$(意味を持たない喋り)
吉田:#&$“@%:ゝ(意味を持たない喋り)
中村:*☆#$%&‘@(意味を持たない喋り)
岡ノ谷:中村さん、ちょっと出来てるね。
中村:出来てます!?初めてやったから超ドキドキしてるんですけど。
吉田:これ、役者さん達は出来る気がする。
中村:あの、神の位置に山寺宏一さんという声優さんがいらっしゃるんですけど。山寺さんは、どこの地方の方言もしゃべれるらしいです。
吉田:本当はしゃべれないのに、雰囲気だけでしゃべれてる感じになる?
中村:そうです。仕事の現場で、いろんな方言しゃべってて。本当はしゃべれないのに違和感が無さすぎて、バレなかったって。
吉田:へえ。
中村:「うん、ちゃんとできてるね」って。
岡ノ谷:僕も留学中に、タモリのデタラメ中国語をしゃべっていたらね、「図書館は向こうですよ」って教えてもらった事ある。
中村:あはははははは!
吉田:通じちゃったんですね。
中村:図書館の場所を聞く、意外の言葉じゃなくって良かったですね。
吉田:そうですね、知らないうちに強烈なトランプ支持とかを打ち出しちゃう可能性がありますもんね。
中村:岡ノ谷さん、もしかしたら、この場に居なくなってたかもしれないですもんね。
岡ノ谷:居れて良かったぁ。
吉田:ちなみに、この意味のない言葉をしゃべるのは、何の為にやるんですか?
岡ノ谷:コレをやると、トランス状態に入るらしいんですよ。
吉田:へぇー!
岡ノ谷:言葉を司る脳の領域を、意図的に麻痺させるんです。我々がしゃべると、必ず意味が付いてくるじゃないですか。それを切り離しちゃう。
中村:原始の時代の感覚に戻すんですね。
吉田:そして、雰囲気でいろんな方言がしゃべれてしまう山寺さんは、まさしく神の位置にいる、と。
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この後、岡ノ谷の著書『言葉はなぜ生まれたのか』を読んだ吉田から、
さらに言語についての質問が飛びます。
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吉田:先生の本で、すごく面白いと思った部分があったんですが。
岡ノ谷:うん。
吉田:人間には6000の言語があると書いてらっしゃいましたよね。
岡ノ谷:毎日、減ってますけどね。
吉田:その6000に分かれてる言語だけど、宇宙人が見たら、全員同じ1つの言語をしゃべってるように見えるに違いないと。
中村:地球人同士はコミュニケート取れないのに?
吉田:地球上に存在する言葉は、全部同じ言葉の方言みたいなもんだ、と書いてあったんです。
岡ノ谷:そうですね。だいたい、主語と述語で出来てますからね。主語と述語と目的語という3つを並べ替えても、6種類しかないですし。
中村:そうか!
岡ノ谷:だから、我々が使っている言葉は基本的には同じなんです。たぶん6万年くらい前、ホモ・サピエンスがアフリカを出て世界に散らばる前に、もう何かしゃべってたんですね。
中村:それは、さっきみたいに意味の無い言葉を?
岡ノ谷:いや、意味は有ったんじゃないかな。その統一の言葉の前は、さっきみたいな感じで…
中村 :*☆#$%&‘@(意味を持たない喋り)
岡ノ谷:こういう感じでさ、歌ってたんじゃないかな。
6万年前の言葉の誕生について、想いを馳せる3人。この後は現代に戻り、吉田尚記の家族の事から「話す」と人間の関係性について、雑談は時間を越えて行きます。
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